PHP Matsuri 2011に参加しました

PHP Matsuri 2011に参加してきました。週末の二日間、すばらしい環境を用意してくださったスタッフ、ゲスト、そして参加者のみなさんに感謝します。

自分がやったこと

闇の世界に堕ちていたり光画部の人たちと朝の散歩に出ていたりしたこともあったけど、それ以外の間は基本的に何かしらの作業を続けていました。PHPがらみの作業としては

  • PHPマニュアルの日本語訳の更新
  • PHPSpecの開発版リポジトリの更新への対応

とか、そのあたり。まあいつものこと。それ以外の大半の時間は、PHPとは直接関係のない「The Architecture of Open Source Applications」の翻訳作業を続けてました。sendmailが初めて登場したころ、まだSMTPは存在しなかった…とか、そんな話。後日改めてエントリを起こすと思いますが、とりあえず現状はこのあたりで確認できます。まだまだ先は長いですね…。

特に目立ったことはしていなかったので発表はせずに済ませましたが、闇の@rskyさんとかテストワークショップの@shin1x1さんとかにちらっと言及してもらってたようなので、それで満足 :-)

全体的な感想

みなさん自分なりの楽しみかたをよく知ってらっしゃるなあという感じ。少なくとも私のまわりは、何をしていいのかわからず手持ちぶさたにしてるという人は見かけませんでした。スタッフの皆さんの気配りがうまく行き届いていたんでしょうね。

ちょっと気になったのは、事前に用意したポジションペーパーをうまく活用できていなかったこと。アイスブレイクのときとかLTのときとか、もう少しうまく使えればよかったなあ…と、帰宅してから気づきました。

いや、しかし楽しかった。もし来年も開催されるのなら、なんとか都合をつけて潜り込んでみたい。

The Architecture of Open Source Applicationsを翻訳してみる

建築家はその生涯を通じて何千ものビルについて研究を重ねるが、大半のソフトウェア開発者はほんの一握りの大規模ソフトウェアしか知ることがない。しかも、その数少ないソフトウェアは自分たちが書いたものであることが多い。ソフトウェア開発者は歴史上の偉大なプログラムを振り返ることもないし、そういったプログラムの設計に関する熟練者の批評を読むこともない。その結果、先人の成功例を参考にすることもできずに同じ過ちを繰り返す。そんな状況をどうにかしたいと思って本書を書いた。

http://www.aosabook.org/en/intro.html

ビューティフルコード (THEORY/IN/PRACTICE)の編集者でもあるGreg Wilson氏らによる新作。さまざまなオープンソースソフトウェアについて「どういうアーキテクチャになっているのか」「なぜそうしたのか」などを関係者が解説する、というものです。どんなソフトウェアがとりあげられているのかはこちらでご確認を。ページ最下部には現在執筆中の新たな章の情報もあり、今後さらに追加していきたい内容についてはこちら*1にまとめられています。


先週末にTwitterに流れていたのを見てIntroductionを読んでみたところ、なかなかおもしろそう。英文がCC BY 3.0 Unportedで公開されており、翻訳者を募集しているということだったので、勢いで手をあげてみました。…と報告する前に id:yomoyomo さんに捕捉されていましたね ^^;


日本語訳も同じライセンスで公開する予定です。が、かなりの分量だし別の作業もかかえているので、ぜんぶ訳し終えるのはかなり先のことになると思います。ぼちぼち進めていきますが、もし「手伝ってやってもいいよ」という方がいらっしゃれば、協力していただけると助かります。

*1:あくまで「できたらいいな」レベルのリストらしいですが

「体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方」発売

体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方 脆弱性が生まれる原理と対策の実践」という本が出版されます。

ご縁があってレビュアーの一員となったおかげで、一足早く読むことができました。

「○○という脆弱性があって、こういう攻撃ができる。その対策はこうすることだ」ということは何となく知っているつもりでも、

  • なぜその脆弱性が発生するのか
  • 実際のところ、どの程度の影響があるのか
  • なぜその対策が有効なのか

といったあたりをきちんと理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。これらをきちんとまとめた、Webアプリケーションの制作にかかわるすべての方におすすめできる一冊です。

初学者は、その目次を見ただけで圧倒されるかもしれません。が、基本的な考え方から順を追って書かれているので、サンプルを試しながら丁寧に読んでいけばしっかり身につきます。
ある程度の経験を積んだ開発者は、気になった項目を調べるための辞書的に使うというのもいいですね。また、周りの人に説明したり後輩を教育したりするときの材料としても使えます。
開発者をとりまとめる管理職の方、そしてWebアプリケーションの制作を外部に発注しようと考えている方にも得るものは多いでしょう。

書店に並んだら、ぜひ一度手にとってみてください。

Exploring php.net the Next Generation

前の記事ではphp.netのさまざまな側面を紹介しました。ところで、昨年末あたりからphp.netの改装計画が進行中であることをご存じでしたか?

php.netのあまり知られていない機能のひとつに「my php.net」があります。

This page allows you to customize the PHP.net site to some degree to your own liking.

(PHP.netのサイトを、お好みに合わせてある程度カスタマイズできます)

PHP: My PHP.net

たとえばマニュアルの表示言語や「http://php.net/キーワード」形式のショートカットがヒットしなかったときの扱いなどを変更できるページです。このページのいちばん下に、次のような設定があります。

php.net is undergoing plastic surgery these days. If you want to see how the site may look in the future, you can join our alpha program.

(最近php.netの改装を進めているので、どんな感じになるか見たいひとはアルファプログラムに参加してね)

PHP: My PHP.net

「Enable」を選んで「Set All Preferences」ボタンを押すと… どんな見た目になるかは実際に試してみれば一目瞭然です。いろいろいじって試してみましょう。

なお、この改装に関する議論は、php-webmasterメーリングリストで行われています。なにかよいアイデアがあったり不具合を発見したりした場合は、ここに報告すると喜ばれるはずです。

Exploring php.net

ソースをダウンロードしたりマニュアルを読んだりバグ情報を検索したり、あるいはPEARPECLのモジュールを調べたり…。PHPを使っている人なら誰もが一度は訪れているPHP本家サイト。

PHP Advent Calendar jp 2010、今日はphp.netのそれ以外の顔についてのおはなしです。

最新のドキュメント置き場 - docs.php.net

PHP Documentation Groupが管理するサーバです。基本的にはwww.pnp.netのミラーですがマニュアルは6時間おきにリポジトリ上の最新版に更新されており、常に最新のドキュメントを読むことができます。が、最近は公式のマニュアルも毎週更新されるようになったので、あまりありがたみがないかもしれません…。

クロスリファレンス - lxr.php.net

PHP本体のソースコードをブラウザ上で読むことができます。「あの関数の実装はどうなってるのだろう?」といったときに手軽に確認できるのが便利です。

歴史を振り返る - museum.php.net

これまでに公開されたPHPの各バージョンのうち、現存するものがここに保存されています。マニュアルの「PHPの歴史」や、公開当時のアナウンス (PHP 1.0その日本語訳PHP/FI プレビュー版正式版その日本語訳) を読みつつ過去を振り返ってみるのもおもしろいかもしれませんね。

実はPHP/FI 2.0のマニュアルなどというものもまだ普通に公開されていたりします ^^;

メーリングリストのログ - news.php.net

php.net上では運営されている各種のメーリングリストへの、これまでの投稿を読むことができます。現在稼働中のメーリングリスト一覧や参加方法などはここに説明があります。

といったあたりをチェックしておくと、PHP本体の開発やドキュメントの更新がどのように進んでいるのかを確認できるでしょう。

講演の資料集 - talks.php.net

アメンバーによる世界各地での講演の資料がここで公開されています。たとえば今年のPHPカンファレンスでのRasmus氏の基調講演も、ここからたどれます。

まとめ

というわけで、PHP本家サイトのあまり知られていないかもしれない一面を紹介しました。php.net上ではこれら以外にもさまざまなサービスが運用されているので、いろいろ探してみるとおもしろいですよ。

PHPカンファレンスに参加します

毎年恒例のお祭り。今年は9/24(金)・9/25(土)の2日間開催です。というわけで、参加登録の受け付けが始まりました。

同時にプログラムも公開されています。私は、土曜日夕方のパネルディスカッション枠に登壇することになりました。

16:40 – 17:25

[T-9]PHPの中の人によるパネルディスカッション
パネラー: Rasmus Lerdorf
moriyoshi
hnw
藤本 真樹
大垣 靖男
高木 正弘
モデレータ: 廣川 類

プログラム « PHPカンファレンス2010

他のメンバーが強力な人ばかりなので、きっと私はただ黙っているだけの人になることでしょう :-)

また、PHPカンファレンスの翌週にはPHP Matsuriという開発合宿イベントも開催されるので、興味のあるかたはこちらもぜひ。

開発者向けの某ウェブサイトの日本語訳をした

ぽろっとつぶやいた後で何もフォローしていなかったので、ひとまずご報告。

オープンソースカンファレンス2010 Kansai@Kyotoとちぎテストの会議などでお会いした一部の人たちにはすでにお話していたのですが、GitHubの日本語化を依頼されて、その作業をしていたのでした。

ページ最下部の目立たないところに言語切り替えメニューがあるので、そこで日本語を選べば日本語に切り替わります。もちろん、「英語のままのほうが慣れていて使いやすい」という場合は何もしなければ英語のままで使えます。

国際化を担当するScott ChaconさんPro Gitの著者でもあるので、おそらくその翻訳を担当したのがきっかけで声がかかったのでしょう。ありがたいことです。

一人でやってしまったために、訳がこなれていなかったり日本語としておかしかったりするところがあるかもしれません*1。気になるところがあれば、何らかの方法でツッコミをいただければ対応します。

「自分もやってみたい」という場合は、GitHubの国際化について議論するためのGoogleグループが作られているので、まずはここをチェックしてみるといいでしょう。

*1:公開初日にいきなり「帆スティング」とかいうあやしいメッセージを見つけましたが、すでに修正済みです:-)